コラム 『山中コーチのコンサルティング業界指南』 (株式会社ワークス・サポート)

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コラム 『山中コーチのコンサルティング業界指南』

 

新卒からずっとコンサルタントの人と
事業会社を経験した後、中途入社でコンサルタントになった人の違いは?

 

(1)「複数の戦略シナリオからの絞り込み」


まず、複数シナリオからの絞りこみについてです。
前提として①「正しい(あるべき)方向性の意思決定」②「実現可能な意思決定」という2つの異なる前提の判断を経て最終的な戦略の意思決定を行う 必要があるということを掲げながら考えてみましょう。

例えば、半導体業界のように、独立系の中堅中小会社がニッチな市場で寡占しているような場合で、かつシリコンサイクル*の波に飲まれても会社が吹き飛ばない ようにするには他社に簡単に模倣されたり代替されないための「希少な部品」や「特徴的な技術」などといった持続的な競争優位の源泉が必要になります。

ところが、その「持続的な競争優位の”源泉”」となるような希少な部品や特徴的な技術はある系列の会社で独占的に使用されていたり、特許でもライセンス契約が 不可であったりする場合、あとは自社で開発するしかない、ということになります。 そんな中で、開発するための資本が乏しく、金融機関からの投融資も難しいと いう場合は、単独での生き残りは困難という前提からのスタートになるかもしれませんし、万が一資本があったとしても、特殊な技術を扱う人材自体が稀少である 場合や、その戦略をモニタリングして運用を属人的でなく、会社の仕組みとして動かすためのガバナンス体制ができていない場合などは、あえて最善策を諦めて次善策を採る、 といった判断をする場合もあります。

概して、コンティングファーム側は「運用レベルの問題はやり方の問題」とそれほど重視しない傾向にありますが、実際は、会社が上手く変革できない理由は 「正しい戦略を作れなかった」からではなく「その戦略を正しく実行(運用)できなかった」からであるといわれています。

実際、顧客側もその運用の重要性を十分理解できていない場合もあります。大抵顧客のトップも運用よりも戦略にしか興味がない場合が多いからです。そこは、 両者のメンバーが顧客トップ自身へ運用の問題の重要性を啓蒙し、その運用の問題を解決するよう全社的な指示をトップから全社に明確にして頂くなど、戦略との整合性を 採る部分は相当力を入れて進める必要があります。

このようなことは必ずしも「事業会社における経験がないと気づかない」というわけでは決してありません。しかしながら、「ここから先はクライアントの判断」といった 突き放すような提案では結果がでるはずもありません。

 

【Episode】
実際は事業会社での経験を持つことでのデメリットも考えられます。
先ほどとは逆に、本来「できるかどうか」は別にして、「どうあるべきか」を先に考え、そこから実行可能に持っていくために現実的な提案に落としこんでいきますが、 極端に現場視点に振り切れると、戦略的な問題(何をすべきか)より、運用の問題(どうやるか、やり方の問題)から考えてしまう傾向があることです。

運用の問題解決(実現可能な意思決定)はいつも私たちがしていることですが、この運用の問題で解決できないことは実はほとんどありません。それは「実現可能」≒ 「いかに、どこをどの程度“妥協”するか」という妥協のプロセスに他ならないからです。

 

*シリコンサイクル:半導体関連の代表的な景気のサイクル。メーカーは段階的な設備投資しかできないため、景気が冷え込むと供給が一気に市場内で大幅に 上回るが、設備を遊ばせておくのはもっとも大きな機会損失であるため、単価を数分の1に下げて赤字受注をしてでも売買をし合うため、各社の業績が大幅に悪化。 これを数年に1度繰り返す。

 

 

 

 

 

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